メラミン食器の安全性

時代のニーズに応えるメラミン食器

「プラスチック製食器の優等生」と言われるメラミン食器は、その優れた特性で現代日本の「食」の現場を支え続けています。病院や介護施設で導入されはじめている新しい調理法「ニュークックチルシステム」に対応した「熱風再加熱用メラミン食器」や「ダブルコーティング食器」、社員食堂から地球環境負荷削減の企業ブランド発信を可能にする環境にやさしい「バイオマスメラミン食器」など、時代に、ニーズに応え進化を繰り返しています。

環境にやさしいバイオマスメラミン食器

しかし進化は続いても、メラミン食器の製造技術が確立されて以来、日本製のメラミン食器には変わらぬ大きな特長があります。

日本製のメラミン食器は、なぜ安全なのか

日本製のメラミン食器の変わらぬ特長、それは安全であるということです。

医学的見地からメラミン食器は安全

かつて、メラミン食器のホルムアルデヒド溶出が健康に障害を与えるか否かがマスコミ等に取り上げられたことがありますが、医学の専門家は「メラミン食器に含まれる程度の量のホルムアルデヒドは無害。体内に入ると水と二酸化炭素に分解され、あるいは排出されるため、蓄積される心配はない。ホルムアルデヒドは自然界の食物にも同程度含まれ、私たちは毎日摂取しているんです(国立衛生試験所 林裕造病理部長、昭和62年12月10日読売新聞)」と見解を述べています。 また、日本の欧米食品化学調査団(昭和62年度)は、アメリカFDAの食品安全栄養センターを訪問し、同センターのR.Ronk氏から研究結果について報告を受け、安全性について再確認をしています。

1:メラミン食器からのホルムアルデヒド溶出量は無視してもよい程度である

2:メラミン樹脂の動物に対する経口投与試験で無害の証明を得ている

また、「日本医事新報」(No.3535、平成4年1月25日発行)では、学校給食用のメラミン食器について相談を受けたという学校医の質問に対し、福岡県衛生公害センター衛生化学課の楢崎幸範氏は、 「適切な製造条件で十分に硬化した高分子縮合体のメラミン樹脂製食器は非常に安全で、食品に接触し溶出するホルムアルデヒドおよびメラミンによる食品汚染に関しては、人の健康に影響を及ぼす量より遙かに低い濃度であり、日常の使用方法では食品衛生上の論議の対象にならない」としています。

適切な製造条件下で製造された日本製のメラミン食器は、医学的にも安全なのです。

食品中にも含まれるホルムアルデヒド

私たちが日常摂取している食品には、メラミン食器から溶出する量の何十倍ものホルムアルデヒドが含まれています。ホルムアルデヒドが含まれる食品は限られたものではなく、魚介類、肉類、野菜、果物、きのこ、卵、牛乳、酒類など、頻繁に私たちの食卓にのぼる食品です。ホルムアルデヒドを含まない食品を探すのが難しいくらいです。

つまり、生体内にはホルムアルデヒドを分解する酵素が存在し、人がこれらの食品や水などからホルムアルデヒドを摂取しても、体内では速やかに無毒性の物質(ぎ酸)に代謝され、排泄されたり、水と二酸化炭素に分解され、私たちの健康には何の支障もないのです。

<食品中に含まれるホルムアルデヒド>

食品名 ホルムアルデヒド含有量 食品中のホルムアルデヒド量
キュウリ 2.3~3.7 ppm 100g(小1本)中 0.23~0.37mg
乾燥シイタケ 244 ppm 3g(中型1個)中 0.732mg
リンゴ 17 ppm 300g(1個)中 5.1mg
ホウレン草 10~25 ppm 100g中 1~2.5mg
エビ 2.4 ppm 100g中 0.24mg
イカ 1.8 ppm 100g中 0.18mg
冷凍タラ 13~48 ppm 100g中 1. 3~4.8mg
魚肉 6~14 ppm 100g中 0.6~1.4mg
クン製品 3~30 ppm 100g中 0. 3~3mg
牛乳 1.5 ppm 180ml(1本)中 0.27mg
5 ppm 70g(1個)中 0.35mg
ビール 3 ppm 633ml(大1)中 1.9mg

資料出典:
日本プラスチック日用品工業組合、プラスチック製食器協議会 刊行「プラスチック製食器 そして安全と安心(第7版改訂)」より引用

「吸気」と「経口」のリスクは異なります

ホルムアルデヒドは、気体になった場合、目や皮膚に強い刺激を与えます。たとえば、新築家屋入居時の室内空気汚染による頭痛、めまい、はきけ、咳、喉の痛みなどを伴う健康被害はシックハウス症候群と呼ばれていますが、ホルムアルデヒドがその原因物質の1つであることが明らかになっています。しかし、これはメラミン食器とは無関係のことです。メラミン食器や食品から、ホルムアルデヒドが室内空気中に放出されることは、普通の状態ではまずあり得ません。

また、特に高濃度の気体状のホルムアルデヒドには、それを吸わせた(吸気摂取)動物実験によって発がん性があると認められています。しかし、これは「高濃度の気体になったホルムアルデヒドを吸引した場合」の影響であり、メラミン食器や日常の食品に含まれる微量のホルムアルデヒドを経口摂取する場合と、全く関係がないことです。

毒性や安全性を考えるときは、「何を」「どれだけ」「どのように」摂取すると健康被害を及ぼすのかを考えなくてはなりません。ホルムアルデヒドについて言えば、空気中にごく低濃度で存在しても、それを吸気摂取した場合は健康被害を及ぼすリスクがあると考えられていますが、日常の食品に含まれる微量のホルムアルデヒドを摂取したり、メラミン食器から溶出するごく微量のホルムアルデヒドを仮に経口摂取したとしても、健康被害の危険性はありません。ホルムアルデヒドは、「吸気摂取」か「経口摂取」かによって、生体への影響は全く異なると言えます。

このように検証が繰り返され、適切な製造条件下で製造された日本製のメラミン食器は、安全性が担保されているのです。

<参考文献>

日本プラスチック日用品工業組合、プラスチック製食器協議会 刊行
「プラスチック製食器 そして安全と安心(第7版改訂)」

<関連リンク先>

厚生労働省の所管機関「食品安全委員会」
http://www.fsc.go.jp/sonota/meramine.pdf

日本プラスチック日用品工業組合
http://www.jpm.or.jp/