製造工場

考える現場。先駆ける製品はここから生まれる。

「生きている樹脂」。食器の材料、メラミン樹脂はそう呼ばれています。

熱可塑性のプラスチックと違い、熱硬化性の素材メラミン樹脂は食器を加工している季節や温度、湿度に影響を受け、製造工程時の成形圧力、成形時間、金型の締めスピードなど、それぞれのわずかな差で食器の品質を大きく変えてしまう特長があります。このためメラミン樹脂を扱う技術者は、職人としての技量を日々研鑽していくことになります。

メラミン食器づくりは、マニュアル化できない職人技を必要とします。技術者は、時にはメラミン樹脂と格闘し、時には対話しながら、メラミン樹脂を自在に操ることができるようになるまで自身の鍛錬を怠りません。なぜならメラミン樹脂を適切に扱えば素晴らしい素材の特長を引き出すことができ、お客様の期待に応えられるからです。 「生きている樹脂」を自在に活用するものづくり。ヤマト化工の技術者が追求する目標がここにあります。

製造ノウハウ受け継つぐ、技術者の1冊のノート。

メラミン食器づくりはマニュアル化できない。「生きている樹脂」はマニュアル化を阻み続けています。そこで、私たちヤマト化工の技術者たちは、丹念にノートへメモをとるようにしています。 安定して生産できたときの、金型温度、金型圧力、金型時間、金型の締めスピード…。不良品を作ってしまったときの金型温度、金型圧力、金型時間、金型の締めスピード…。技術的なこと、感じたこと、改良ポイント、次回試してみたいことなどをノートに残しています。

中には、親子二代でこのノートを使っている技術者もいます。親がノートに残した成功例・失敗例を参考にしながら、その上で自分なりの工夫を加えていく。ノートは加筆され続けています。そして、技術者から技術者へと受け継がれていきます。やがて「生きている樹脂」を自在に扱うことができる日まで。

食器の価値を生み出す現場力。

メラミン食器に求められる価値は、時代とともに大きく変わります。戦後の高度成長期におけるメラミン食器の役割と、現代のメラミン食器の役割は大きく異なっています。日本社会では少子高齢化が進み、地球全体では環境負荷軽減が求められ、メラミン食器には全く違う価値が求められています。

私たちは、こうした時代の要請に、地球環境への負荷を軽減する素材「バイオマメラミン」食器、新しい調理法に対応する食器「メラミンエックス」「フォーリスト」を開発しました。また、食器の内外にコーティングを施す「ダブルコーティング」は、時代に応える食器とは何か、食器の価値は何かを見極める現場力があってこそ生み出すことができた私たちの技術です。